今年もアイドル楽曲大賞に投票したので備忘録も兼ねて投票曲へのコメントを残しておきます。
基本的に公式がMVやライブ動画を上げている曲を選んだのでMVなどへの感想も含まれています。
メジャー部門もインディーズ/地方部門もまず20曲選びそこから5曲を選出。
アルバム部門は正直「1曲に絞りきれないのでアルバム部門で」という感じです。
投票曲と次点曲をYouTube再生リストにまとめています。
メジャーアイドル楽曲部門:各2点・順不同
・BiSH『オーケストラ』(YouTube)
アルバム『KiLLER BiSH』収録曲。
「エモい」請負人・松隈ケンタの新たな代表曲。
ストリングス隊の重厚さと、かなり意識的に残しているであろうブレス音の生々しさ(特に落ちサビでのアイナ・ジ・エンド)が切なさに拍車をかける。
アイナが振り付けたメンバー同士の「ハグ」、最後に1列に並んだところで1人分開いてるように見えるスペース、歌詞では「あの空だけ」「呪いたいぐらい」になっているが実際には「あのクソらだけ」「呪いたいグロい」と歌っている(そのカモフラージュのため(?)の歌詞表示)、「やがて訪れたよね さよならの声」の「さよなら」のときにドラマパート部分で「ありがとう」と動いている口 etc
謎かけのような仕掛けが随所に織り込まれたMVも今年のアイドルMV最高峰。
またアイドルのMVはメンバーが出ないドラマが入るものは好まれないことが多いが、このMVではそこに対しても否定的な意見がほとんど見受けられなかったのも特筆すべき点。美少女百合最強論。
[ライブ動画]BiSH / オーケストラ[Less Than SEX TOUR FiNAL“帝王切開”日比谷野外大音楽堂]
・マジカル・パンチライン『Magiかよ!? BiliBili☆パンチライン』(YouTube)
元アイドリング!!!の佐藤麗奈が率いるマジパンのデビューミニアルバム『MAGiCAL PUNCHLiNE』リード曲。
フック重視な2010年代のアイドルソングの要素(高速BPM・転調・リズムチェンジ・音数の多さ・HR/HM・ラップ・ストリングス・メタ歌詞 etc)をこれでもかとブチ込みつつ王道感はしっかりと出ている怪作。
ベースを中心に組み立てられたタイプの曲だと思うが、パート毎にフィーチャーされる楽器が変わるのも特徴(Aメロ:ピアノ、A'メロ(ラップ):ストリングス、Bメロ:ドラム、Cメロ:ギター)で、聴いていると耳も脳みそもフル回転になるが1曲終わった後「疲れた」よりも「楽しい」が勝る秀逸なバランス感覚。
・ばってん少女隊『おっしょい!』(YouTube)
現在のアイドル運営や楽曲提供してる人たちの中には直撃世代も多いはずなのに、スカコア/メロコアに特化したグループって意外といないとーと思っていた時期に現れたのがまさかのスタダ。
特にこの曲は「大サビ前のDメロや落ちサビ」といったアイドルソングのフォーマットに寄せることなくジャスト3分で終わる潔さと疾走感が小気味よく、逆にボーカルは「ロック風」に寄せず子供歌声をそのまま乗せるミスマッチ感や、方言を入れた自己紹介的ポジティブソングな歌詞が良い意味でアイドルソングとしての枠内に留まる楽しい仕上がり。
[フルMV]ばってん少女隊 「おっしょい!」-動画[無料]|GYAO!|音楽
・lyrical school『サマーファンデーション』(YouTube)
アイドルソングを聴くときは、元々好きなジャンルや音はそれほど関係なく雑食になるけれど、ドンピシャで好きな音が入ってたりするとやっぱりテンション上がります。
今年でいえばこの曲のギター。
この「音の粒が潰れない程度に歪み系一発かましたテレキャスの音(嘘。てきとー)と、ちょっといなたくも気持ちのいいカッティング」ですよ。
こういうのが実はもっとほしいんですよ。
アーーイノォーゥ イッツォンリーロッケンロー バラライキーですよ。
・バンドじゃないもん!『気持ちだけ参加します。』(YouTube)
シングル『キメマスター! / 気持ちだけ参加します。』両A面曲。
沖井礼二(ex.Cymbals)のTwinklestars(さくら学院バトン部)以来のアイドルへの楽曲提供がバンもんだったという意外性と、普段の「てっぺん目指して駆け上がるぞー!おりゃー!」なノリとは違う意外性がどちらも想像以上にハマっており、ザ・沖井礼二サウンドと「五月病でやる気が出ない」アンニュイな歌詞でバンもんのいつもとは違う魅力が引き出された曲。
メジャーアイドル楽曲部門次点曲 (YouTube)
乙女新党『雨と涙と乙女とたい焼き』
callme『Sing along』
GEM『one』
東京パフォーマンスドール『SURVIVAL!!』
PassCode『MISS UNLIMITED』
BiSH『本当本気』
ひめキュンフルーツ缶『デッドギミック』
ふわふわ『恋のレッスン』
ベイビーレイズJAPAN『シンデレラじゃいられない』
Maison book girl『cloudy irony』
La PomPon『ろっぽんぎ体操 〜愛コトバはジャンパラポン!〜』
Little Glee Monster『私らしく生きてみたい』
わーすた『うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ 』
篠崎愛『ヒカリ』
寺嶋由芙『わたしになる』
インディーズ/地方アイドル楽曲部門:各2点・順不同
・アイドルネッサンス『シルエット』(YouTube)
シングル『Funny Bunny』収録曲。
「名曲ルネッサンス」というコンセプトは、たまに「もう若いバンドやアーティストの曲を積極的に探して聴くことがなくなった」自分のようなオッチャンに今の名曲を教えてくれることもあったりして、ありがたい。
このKANA-BOONの曲やsupercell『君の知らない物語』はアイルネがカバーしなければ知らないままだっただろうと思う。
原曲とのアレンジの一番の違いは、以前にも書いたアイルネの音の特徴である「木琴や鉄琴などの鍵盤打楽器の使用」だと思うが、この曲でもイントロやサビで鉄琴が効果的に使われており、キラキラと切なさが大幅にアップしている。
汗で髪の毛が顔に張り付くのも構わず「歌で伝えよう」とする彼女たちの姿は、最高級に気持ち悪い表現だとは分かっていても「命の輝きと若さの煌めき」ぐらいの言葉を使わないと釣り合わない。
若いって素晴らしい。
[参考動画]アイドルネッサンス「君の知らない物語」(MV)
・キャンディzoo『Balloon Drive Over The Chocolate City』(YouTube)
シングル『ORANGE SINGLE』収録曲。
「クローゼットの奥にしまわれたオモチャやぬいぐるみ「僕」が、大人になった持ち主「君」の夢の中に飛び込みあの頃のように一緒に遊ぶが、朝になり目覚めれば「君」は大人に戻りかけがえのない人と未来へと進んでいく。だけど「僕」たちはずっと「君」の心の中にいるよ」という『トイ・ストーリー3』的な世界観の歌詞(多分)を、ピアノロックをベースに泣きのメロディーラインに木琴を乗せるセンチメンタル増し増しな1曲。
ハシャギっ放しなMVの中で突然差し込まれる「止まれ」の表示の上に佇む2人(その後にマスクを着けている)や、落ちたことに気付かれないパンダのキーホルダーがオモチャたちの本当は寂しい気持ちを表していてグッとくる。
アイドルの歌で1番泣ける歌詞が実は「ラララー」や「シャララー」だったりするので、アウトロは非常に涙腺を刺激される。
・Saoriiiii『チャップリン・オーケストラ』(YouTube)
アルバム『NOSTALGY』収録曲。
今年の「マイ・ベスト・非の打ち所がない1曲」
100点。
・絶対直球女子!プレイボールズ『ダイビングキャッチ』(YouTube)
シングル『野球しようぜ! / ダイビングキャッチ』両A面曲。
三代目 J Soul Brothersが再び流行らせたランニングマンを、グローブを着けて「ボールを追いかける」振り付けとして取り入れたアイデア賞的な発想。
プレイボールズは完全に野球を題材にしてるのに、普遍的な恋愛ソングや応援ソングの意味も持たせる歌詞の構成も面白い。
今年TIFスカイステージが最も似合っていた1曲。
【ゲームセット】
— 【公式】プレイボールズ12/25主催 (@playballs_info) 2016年8月5日
SKY STAGEにて本日のプレイボールズの試合がフィニッシュ!!
朝から長丁場、ありがとうございました!明日も明後日もプレイボールズは登場します!最終日までよろしくお願いします!!#TIF2016 pic.twitter.com/6I5V6v1RUI
[ライブ動画]絶対直球女子!プレイボールズ「ダイビングキャッチ(Endless outro ver.)」2016/10/04 ワンマンLIVE at O-WEST 真夏の死のロード〜第二章FINAL〜
・ぷちぱすぽ☆『Go Fight!Fly High!』(YouTube)
若く可愛いアイドルが元気いっぱい笑顔で応援ソングを歌い踊ってくれる。
それ以上何が必要か。
明日また生きるぞ!!Go Fight Win!!
インディーズ/地方アイドル楽曲部門次点曲 (YouTube)
amiinA『Atlas』
偶想Drop『偶神』
強がりセンセーション『さよならBABY feat. ユウスケ』
TOKYO喫茶『ピッカピカ賛美歌』
虹のコンキスタドール『限りなく冒険に近いサマー』
BiS『CHANGE the WORLD』
フィロソフィーのダンス『すききらいアンチノミー』
Fullfull☆Pocket『流星Flashback』
まねきケチャ『きみわずらい』
ヤなことそっとミュート『燃えるパシフロラ』
ゆるめるモ!『めんどいしんどいPUNKするか』
ONEPIXCEL『TONDEKE』
ほしのあすか『Rocket Boy Strar Girl』
吉田凜音『りんねラップ』
まなみのりさ『逆襲のポラリス』
アルバム部門:各2点・順不同
・sora tob sakana『sora tob sakana』(YouTube)
sora tob sakanaとは「ポストロックやエレクトロニカを通過した物語性の強い独特なサウンドを少女たちが汚れのない真っ直ぐな歌声で歌うことでイノセントな世界を創り上げることに成功している」アイドルである。
— ポン助 (@popopo_ponsuke) 2016年12月21日
そのとーーり!!
・RYUTist『日本海夕日ライン』(YouTube)
結成から4年目の2015年に初のアルバムを発表した新潟のRYUTistが、2年連続でのアルバム発売。
シングル曲はカップリングで収録されていた「piece of life」1曲のみで他は全て新曲。
新潟に実際にある海岸線に沿って走る道路「日本海夕日ライン」をテーマとした「朝から夕方、夜まで一枚に日本海夕日ラインを収めたコンセプトアルバム」
「特別な一枚」は、やっぱりきちんと音楽と向き合った上で、音楽を作り歌を歌うグループになるよなーとしみじみと感じ入ったアルバム。
・デスラビッツ『第二次うさぎ大戦』(YouTube)
「です。ラビッツ」(2016年11月に「デスラビッツ」から改名)のアイドルソングとしての特殊性は、無責任な大人や息苦しいネットの世界などへの「怒り」や、その理不尽さや醜い争いへの「疑問」を直接歌っている部分と、「そんなことよりみんな仲良くしようよ」が通底したテーマになっている部分だろう。
『うさぎのきもち』
「嫌い嫌い嫌いな気持ち 電波にのせて 満足なの?」
「もし宇宙人が攻めてきたら 喧嘩が終わるのかな」
「取り敢えず何にも気にせず 現場来いや!」
『なんで?』
「人はなんで嘘つくの?敵がいるの?争うの?なんで奪い合うの?」
「人生は一度きりよ 悩んでても時間の無駄 私達とほら一緒に踊ろう歌おう ワチャワチャしよう」
『怪獣ANPONTAN』
「大人なんてみんなアンポンタンだから 私達のちからで世界を変える なんちゃって」
こういったアイドルソングとしては取り扱いが難しい「社会や世相を斬る」的な曲を重くなり過ぎずにできるのは、3人娘のキャラクターと、時には汚い大人の代表として、時には汚い大人への不満を代弁する役として、冗談と本気のライン上に立ちワイルドカードな役割を務める部長の存在があるからだけど、部長がいるからこういう路線になったのか?こういう路線をやりたいから部長を入れたのか?は気になってたりする。
何はともあれ独特な編成で独特なテーマを独特なバランスで歌うですラビは今のアイドル界でも貴重な存在だと思うので色んなところに届いてほしい。
あと、バラード曲をワンマン以外で歌う機会はなかなかないから仕方ないだろうけど、望月愛実ちゃんの歌声の素晴らしさはもうちょっと広まってほしいなーと思っています。
— ポン助 (@popopo_ponsuke) 2016年12月21日
[ライブ動画ダイジェスト]デスラビッツの新宿ReNY2days - ダイジェスト -
推し箱部門
・未選択
今年も良い曲山ほど聴かせていただきました。
全てのアイドルへ、感謝永遠に。
P.S.チマチマと書いていた文章がようやくできあがったんで今日アップするかーと思っていたところにリリスクの現体制での活動終了の報告が入りました。
リリカルスクールの今後の活動に関するお知らせ : lyrical school official web site (リリカルスクール)
これまで卒業していったメンバー、今回卒業するtengal6時代から支えてきたami、ayaka、mei、そして新体制を支えるminan、hime。全てのメンバーが幸せになれるよう祈っております…。