『第15回ハロプロ楽曲大賞'16』投票曲
投票曲をYouTube再生リストにまとめています。
楽曲部門:各2点・順不同
・アンジュルム『次々続々』(YouTube)
作詞:児玉雨子、作曲・編曲:平田祥一郎
長年に渡りアレンジャーとしてハロプロソングの屋台骨を支えてきた平田祥一郎がハロプロでは初めて作曲を担当した曲に、ハロプロソング新世代の旗手である児玉雨子が詞を書いた「ハロプロソング・クロニクル」的にも非常に重要な意味合いを持つ1曲。
平田祥一郎の十八番である四つ打ち骨太クラブサウンドと挑発的な歌詞で現在の「強い」アンジュルムを体現している。
変わり続けられるような勇気 変わらぬままそこにある真理
前半を卒業する田村芽実、後半をリーダーであり最後の初期メンバーである和田彩花が歌うことで話題になった歌詞だが、「変化と不変」は2016年のハロプロソングにも当てはまるテーマだったのかもしれない。
・Juice=Juice『Dream Road~心が躍り出してる~』(YouTube)
作詞・作曲:つんく、編曲:江上浩太郎
日本の音楽界、特にアイドルの世界では音楽的な部分よりも「パリピ」とイコールで固定化されてしまった感のある「EDM」だが、壁トントンに始まりエアロビクスのような謎の振り付け、というかストーリー性のあるコンテンポラリーダンスを乗せることで「パリピ感皆無なEDM」を作り、2016年にシングルで発売するつんくイズム。
最初は「これどうやって見るのが正解なんだよw?」となるものでもライブやMV、ライブ映像で繰り返し見ているうちに「めっちゃええわ…」となるつんくの例のあれ。
新しいもの・流行ってるものを取り入れるがそれを流行ってるそのままの形では出さないつんくの例のあれ。
「やっぱつんくだなー」となる例のあれ。
・アンジュルム『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』(YouTube)
作詞:児玉雨子、作曲・編曲:炭竃智弘
「21世紀」「経済発展」「資源」「地球」「大宇宙」そしてタイトルにもある「進化」「退化」など「どんだけデカイ話だよ!」とツッコミを入れたくなる過剰に大きなテーマから、2番サビ終わりでの「始発電車 動き出さなくては… 逢いにいけないよ」という日常描写への落差に見る【マクロとミクロの並列化】と、「21世紀近未来育ち」「GPSテルミー」「超自我探索 (スーパーエゴサーチ)」「高速電波」「21世紀大宇宙出身」などの【絶妙なラインのダサい言葉選び】という、濃縮つんく汁のような要素が詰め込まれた歌詞を22歳で書ける児玉雨子マジヤベーと打ち震えた曲。
宇宙のどこにも見当たらないような 約束の口づけを原宿でしよう
で、お馴染みの「作詞家つんく」代表曲のひとつ『Do it! Now』の正統系譜といえるような曲。
[参考動画]モーニング娘。 『Do it! Now』 (MV)
・つばきファクトリー『独り占め』(YouTube)
作詞・作曲:つんく、編曲:大久保薫
ゴージャスで分厚い音が主流(それはそれで勿論大好き)である最近のハロプロとは違う「一昔前の古き良きハロプロサウンド」を感じさせるつばきファクトリーの楽曲路線に、つんくの辛気臭い詞と曲が乗っかり、ハロヲタとしてのノスタルジーを刺激される。
仕方がないこととはいえ、病気を患ってからのつんくの歌詞には「人生観」や「生き方」が前面に出ているものが多かったので、久しぶりに「ウエットでネットリした女心を歌う恋愛ソング」が聴けたのも嬉しかった。
・アンジュルム『上手く言えない』(YouTube)
作詞・作曲:中島卓偉、編曲:AKIRA
ハロプロソングの大きな特徴のひとつに「緻密で丁寧でかなり大量に入るコーラスワーク」(ライブでメンバーが歌う部分ではなくバックトラックに入っているコーラス)があるが、これは言うまでもなくつんくがいたからこそスタイルで、今その作家兼ボーカリストとしての立場を継承しているのが中島卓偉。
つんくと卓偉の共通項として「本人の音楽的ルーツとなるビートルズからの影響」があると思うが、コーラスに関しての発想は特にそれを強く感じさせられる。
卓偉の曲が自分も含めた昔からのハロヲタに意外なほどすんなりと受け入れらたのはその辺りにも起因するのかなと。
ただ卓偉はバランスが良すぎるのが少し物足りないので、是非一度ハロプロ研修生に曲を書いて、「もうこれ卓偉がほとんど歌ってるじゃねーかw」みたいな思い切ったのを作ってほしいなーと思ってます。
[参考動画]
・【アプカミ#39】レコーディング映像企画 アンジュルム「上手く言えない」 中島卓偉コーラス レコーディング編
・【アプカミ#34】レコーディング映像企画 カントリー・ガールズ「どーだっていいの」中島卓偉コーラスレコーディング編
MV部門:各2点・順不同
・こぶしファクトリー『辛夷の花』(YouTube)
作詞・作曲・編曲:星部ショウ
今や放送2千回を越える長寿番組「全力坂」を見れば分かるように、若い女の子が走る姿はそれだけで「画力(えぢから)」がある。
それをハロメンがやればそりゃあエモーショナルなものになる。
そこにがっぷり四つなフォークソングと、昭和の青春ドラマを彷彿とさせるイメージが乗っかればそりゃあじっちゃんの琴線に触れる。
大好きなMV。
・アップアップガールズ(仮)『バレバレI LOVE YOU フューチャーミュージックビデオ アプガ制服青春コレクション』(YouTube)
作詞:NOBE、作曲・編曲:michitomo
「…なんなんだいったい……なんなんだこれはいったい……」となりながら最後まで観てしまう今年のアイドルMVで最も「イカれた」作品。
繰り返し観ることはないが、たまに思い出したときに観てしまう緩やかな中毒性。
・カントリー・ガールズ『どーだっていいの』(YouTube)
作詞・作曲:中島卓偉、編曲:鈴木俊介
「世界一美しいギター」と呼ばれるGRETSCHのWhite Falconを「世界一可愛いじゃりン子」の船木結が持ってる絵面だけで100点。
推しメン部門
未選択
【番外編】ハロ!ステ ヘアアレンジ部門
・#165 浅倉樹々(つばきファクトリー)(YouTube)
「正しいヘアアレンジ」は「大きな声でハキハキと分かりやすく説明し、作業中にもコツや雑談で無言の時間を作らず、笑顔を絶やさない」で間違いないのだが、それが必ずしも絶対的な正解にならないのがアイドル稼業の面白いところ。
小さな声。
作業に必死で真顔になり、たまに思い出したように作る笑顔。
左側と同じ作業の右側をやるときにずっと無言。
いわゆる「だがそれがいい!!」である。
このプライベート感というか俺に話かけてる感をカメラの前で出せるかどうかも重要なアイドル力だ。
一言でいえば「どえらい可愛い」だ。
行くぜ、つばきファクトリー!Yeah!だ。
変わり続けるハロプロの中で唯一の「変わらないもの」であったつんくがその立場を変えてから約2年が経つが、メンバーや楽曲、或いはHello!Projectそのものにそのイズムはしっかりと受け継がれていると感じられた一年でした。
また来年もよろしくお願いします。