2014年、プロダクション設立40周年を迎えたSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)が初めて立ち上げたアイドルプロジェクト。2014年5月4日の「アイドルネッサンス候補生初ライブ」を経て、正式メンバーが決定。プロジェクトネーム「アイドルネッサンス」を正式にグループ名として活動開始。古今の楽曲をアイドルネッサンスなりに歌とダンスで表現する「名曲ルネッサンス」をテーマに活動。
ジャンルも年代もバラバラな曲をカバー、アレンジもオリジナルから大幅にイメージを変えるものではないのに音に統一感があり「アイドルネッサンスの音」としてシックリとくるのはなぜなんだろうと疑問を持ち、ちょっとそのあたりを意識して聴いてみた結果、ひとつの要素として「鍵盤打楽器(鉄琴・木琴)の使い方」があるのかなと。
2016年2月までに出された5枚のシングルのタイトルトラックがMVもあって分かりやすいので取り上げます。
『17才』(オリジナル:Base Ball Bear 動画)
サビに鉄琴
『太陽と心臓』(オリジナル:東京スカパラダイスオーケストラ 動画)
鍵盤打楽器ではないが音階のある打楽器・スティールパンをAメロ等で使用
『初恋』(オリジナル:村下孝蔵)
Aメロ等に木琴
『YOU』(オリジナル:大江千里)
Aメロに木琴、サビに鉄琴
『夏の決心』(オリジナル:大江千里)
Aメロに木琴
『Funny Bunny』(オリジナル:the pillows 動画)
イントロ・サビ・Cメロ・アウトロ等に鉄琴
シングル曲ではないですが、こちらも分かりやすい2曲。
『シルエット』(オリジナル:KANA-BOON 動画)
イントロ・サビ等に鉄琴
~バイオリンに感動~【「シルエット」初聴き】アイドルネッサンス
『Music Lovers』(オリジナル:JERRY LEE PHANTOM)
イントロ・サビ等に鉄琴
~耳をすまして~【「Music Lovers」初聴き】アイドルネッサンス
鉄琴や木琴を使うのは珍しくはないかもしれないけど、グループの音をイメージ付ける継続的な使い方(しかも間奏でソロを取るような派手なものではなく、あくまでもアレンジの中で自然に馴染む使い方)は、アイドルグループとしてかなりの発明な気がするし、鉄琴の清涼感や木琴の郷愁を誘う音がアイドルネッサンスの「爽やかさ」「懐かしさ」「真っ直ぐさ」などのイメージにぴったりで、音に関してもアイルネ運営・制作陣のコンセプトの的確さとブレなさはさすがだなーと改めて。
特に『17才』や『シルエット』などの「思春期の複雑な感情」を歌う曲で、彼女たちの歌声に合わせて鉄琴を歌メロとユニゾンで乗っけるのは「キラキラと切なさの三割増し感」が凄くて、おっちゃんの涙腺を刺激してきます。
アイドルネッサンスはアイドル楽曲大賞でも上位常連で、いわゆる「楽曲好き」の間ではアレンジにブラスやストリングスが入ってる曲の評価が高くなる傾向があるけど、その層を取り込みたいところはこれからは学校教材楽器(鉄琴・木琴・リコーダー・ピアニカ・オルガン・ハーモニカetc)が狙い目かも?